この作品、結構重いテーマを何個かライトノベルというエンターテイメントの中で扱っているので非常に評価が難しい作品だと思います。
なんというか、面白かったっていう感情ももちろんあるんですが何よりもいろいろな思いが見た後にめぐって本当に訴えかけてくるものが多い作品だと思います。
なので、軽いラブコメを楽しむみたいな気分の時には向かないですがしっかりと何かに向き合いたいときには非常に多くの問いかけを残してくれる作品だと思ってます。
キャラの心の描写もすごく刺さる作品だと思います。
なによりも、すごいなとおもったのはあとがきでの参考文献ですね。午鳥志季さんの『AGI -アギ- バーチャル少女は恋したい』の時にも思ったのですが、テーマを扱うにあたってしっかりと背景を調べているっていうのがあとがきからも感じれて本当にこういうのいいなぁとおもいました。AGIに関してはこちらも好きな作品なのでいつか語るときもあるかもしれません。
(追記:『AGI』に関する記事も書きました)

書籍情報
著者 | 八目迷先生 |
イラストレーター | くっか先生 |
レーベル | ガガガ文庫 |
この2人のコンビで『きのうの春で、君を待つ』と『夏へのトンネル、さよならの出口』といった《時と四季》シリーズを書かれているコンビです
少しネタバレがある感想
自分の周りの複雑な恋愛感情、性自認がどちらにあるかそしてそのうえでどういう人を好きになるのか結構センシティブな内容で正直エンターテインメントにするのはいろんな意味で難しい作品を丁寧に向き合いながらかかれたいい作品だなと思いました。
巻末の参考文献も、ちゃんとセンシティブな問題を扱ってるからこそしっかり描きたいんだろうなっていう気持ちが伝わってきました。テーマこそ重いのですがしっかりとライトな気分で読める、でもしっかり考えることができるといったいろんな気持ちでぐっちゃぐちゃになりますがこういう作品ももしかしたら未来の考え方を変えてくれるかもしれません。
本当に『良い』作品だと思います。
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